ハローワークなど求人サービスを利用して求人募集を開始してから、実際に採用(本採用)するまでの流れを理解しておきましょう。本採用を行ってからの解雇は雇用側にとって非常に厳しく、「解雇権の濫用は無効」と扱われるケースが多いため、「とりあえず内定を出して人材を確保しておこう」と安易に考えないようにしましょう。
求人募集から採用までの流れ
大まかな流れは次の通りです。
- 【募集活動】人材を集めるための採用広報
- 【選考活動】書類選考、面接などの選考段階
- 【採用内定】採用予定者に対して「採用内定通知書」を発行します
- 【入社】試用期間を設け、適性を判断(入社14日を超えると解雇手続きが必要)
- 【本採用】
上記には含んでいませんが、一般的には「集客」→「選考」→「リテンション(内定辞退防止)」という流れになります。表現を変えると「集める」→「絞る」→「掴む」ということです。採用担当者の多くは内定を出せば求職者は必ず入社してくれると思いがちですが、多くの求職者は並行して複数社の選考を進めているため、内定を出した後もその求職者を引き止めるための策が必要になります(特に優秀な人材ほど重要)。
労働契約が成立する段階
前述したように、求職者が入社して14日が過ぎると試用期間中であっても「解雇予告(解雇手続き)」が必要で、会社側から一方的に解雇することが難しくなります。では、どの段階で労働契約が成立するのでしょうか。
まず、「内々定」ですが、これは「採用する予定です」という通知ですので、労働契約は成立していません。その後に出す「内定」は、求職者からの労働契約の申し込みに対して会社側が入社を承諾することです。難しいのはこの段階です。単なる「内定通知」であれば労働契約の成立には値しませんが、具体的な入社条件を示した「採用通知」であったり、「入社誓約書」を交わした場合は労働契約が成立したとみなされる場合があります。
多くの企業は入社を前提とした「内定」を出すため問題ないと思いますが、とりあえず「内定」だけ出して引き止めておこうという安易な考えは後でトラブルに発展することもあるため注意しましょう。
(参考)厚生労働省「労働条件」